(2018/12/19更新)

名だたるベンチャー企業が生まれた街、東京都渋谷区にあるシェアオフィス「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」。
ここでは、スタートアップが大企業とイノベーション(革新)を起こすために必要な環境が整えられていることで、注目されているシェアオフィスです。

そこで今回は、「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」のスタッフである置鮎 佳典さんと西野 宏美さんに、設立までの経緯や「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」の魅力について、お話を伺いました。

スタートアップと大企業が集まる街をつくりたい

西野 宏美さん

—まずは、「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」の概要について教えてください。

西野:「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」は2017年11月にオープンした施設で、”街に魂を込める”東急不動産の次世代のまちづくりをしたい、という意思のもと、作られた施設です。

この渋谷の街をフィールドにして、起業家たちが思い描くビジネスに思う存分挑戦して欲しい。
様々な顔を持つ渋谷の「働く」という一面に磨きをかけ、「スタートアップと大企業が集まる、世界で一番刺激的な街“渋谷”で働きたい、起業したい」「渋谷といえば、魅力的なスタートアップが集まる街」と言われるような未来を作りたいという思いを込めています。

置鮎:もともと、東急不動産は「街全体を盛り上げていきたい」という思いを持っている企業です。それを踏まえた時に課題となったのは「スタートアップが集まりはするが、スタートアップが成長していくと渋谷の街から巣立ってしまう」ということでした。

また、スタートアップは大企業やパートナーと手を取り合って協力することによって、様々な交流やイノベーションを生み出します。そのような関わりがあって、スタートアップが成長していきます。
ですが、今は渋谷の街を拠点としている大企業・パートナーがあまり多くないのが現状です。
それらの課題を渋谷の街の再開発をきっかけに変えることができないかと考えていました。

そのように考えていた時期に、世界26ヶ所に拠点を持つスタートアップ支援機関である「Plug and Play」が日本に進出することになりました。
彼らもパートナー企業とともにスタートアップが成長していく環境を作りたいと考えており、日本でそれが実現可能な街を探していたところ、渋谷に行き着いた経緯があります。
「東急不動産」と「Plug and Play Japan」。お互いの思いが合致して実現したのが、このPlug and Play Shibuya powered by 東急不動産です。

置鮎 佳典さん

—「パートナー企業」というのはどういうものなのでしょうか?

置鮎:「Plug and Play Japan」の活動を支援している企業のことです。その中には大企業も名を連ねていまして、スタートアップとのイノベーションを求めています。
Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産を利用しているスタートアップにとっては、名だたる企業と接点が持てる、という点が魅力だと思います。

※Plug and Play Japan→http://japan.plugandplaytechcenter.com/

1階共有スペース

—設備について教えてください。

西野:1階は共有スペースと占有スペースに分かれています。共有スペースは、会員様が好きなところに座ってもらって、作業ができるスペースです。占有スペースは1〜6名様でご利用いただけるローパーティションによるブースタイプになっています。無料のwifi環境・複合機・名刺スキャンなどの設備も整えています。

ちなみに、会員様は文房具やホワイトボード、大きめのモニターなどの備品は自由に借りることができます。打ち合わせやアイデア出しの際に利用していただけたらと思います。
用意しているコーヒーやお茶も無料で飲むことができますね。

2階個室

—2階の設備について教えていただいてもいいでしょうか?

西野:2階は完全な個室となっており、会員様は24時間利用することができます。仕事などの関係でどうしても遅い時間帯でしか活動できない方や、海外企業とやりとりされている方が利用していることが多いです。また、大企業のサテライトオフィスとして利用されていることもありますね。

—利用されている会員の方々は、どのような年代・業種が多いのでしょうか?

置鮎:20〜30代の男性が多いです。職種はIT系。例えば、IoTの電球とかコミュニケーションロボットの開発をされている方がいらっしゃいますね。

基本的には創業1年〜3年以内の若い年代で、これから活躍が期待できると感じる方々が多いという印象です。

大企業とのイノベーションを起こしやすくした設備

—設備を考えるうえで意識したポイントはありますか?

西野:「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」は、イノベーションを求めた施設です。
大企業とスタートアップが繋がることがその方法の一つなのですが、入居している方々にそのチャンスが多く得られるような工夫をしています。

会員の写真が貼ってあるスペース。どのような事業をやっているか、一目でわかるような工夫がされている。

例えば、キッチンスペースは自然と交流が生まれるように設計してみたり、会員様の顔写真を貼るスペースを設けて「この人がどういう事業をやっているか」が一目でわかるようにしていたりします。そのようにすることによって、パートナー企業となっていただいている大企業や入居者同士が繋がる機会をつくっています。

また、ミーティングスペースや占有スペース以外は、できるだけ壁を設置しないようにしています。これにより、施設内で作業をしている時でも自然な交流ができるようにしています。
実際に、会員様が大手企業との協業に向けて一緒に打ち合わせしている、というシーンはよく見ますね。

入り口に設置してある、利用者の寄せ書き

—そのなかで、運営スタッフは会員の方々とどのように接しているのでしょうか?

西野:シェアオフィスとは言っても、運営側である私たちがなんでもやってあげるというわけではなく、会員様と一緒にこの場所を創りあげていく、盛り上げていく事を大切にしています。

例えば、先ほどコーヒーやお茶を無料で飲むことができるとお話ししましたが、「もし私たちがなくなっていることに気付かなかったら補充してね」というスタイルにあえてしていたり、会員様同士の交流会の司会をお願いしたりしています。
そういう点を踏まえて、会員様と共により良い施設に成長していけたらいいな、と思っています。
また、私達としては、ただ施設を利用していただくことに対価をお支払いいただくことではなくて、この場所で起こる交流やイノベーションの可能性、ビジネス成長の可能性に価値があると思っていただけたら、私たちとして一番いいかなと思っています。

この場所で始まった交流やイノベーションが、この場所だけでなくゆくゆくは街全体に広がっていってほしいという思いも込められています。

—数あるサービスの中で、特に利用者にオススメなサービスはありますか?

西野:「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」には、「東京開業ワンストップセンター」という施設が入っています。ここは外資系企業やベンチャー企業等の開業手続を一元化する、国家戦略特区を活用した日本初の取り組みをしている施設です。

施設内にある「東京開業ワンストップセンター」

起業したばかりの方や起業しようと思っている方は、ここで法人設立や定款認証などの起業に必要な手続きについて毎日相談することができます。
中小企業診断士の方が毎日来ており、弁護士の方が週に1回来ますので、起業についてお悩みの方はぜひ利用してみてください。

—他のシェアオフィスとの違い(強み)はありますか?

置鮎:イベントですね。「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」は営業日のほぼ毎日イベントを開催しています。

西野:イベントの種類に関しては、回を重ねるごとに増えています。
基本的には、スタートアップ・起業家の方向けの講習・セミナーや、ビジネスコンテストやピッチコンテスト、資金調達の方法などのイベントが多いのですが、会員様のサービス・商品を利用してもらってアンケートを取る、といった実証実験の場としても利用している方もいます。

「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」の会員様は、働く場所として利用するだけでなく、イベントに参加して、様々なインプットの機会を得ることもでき、その点はメリットになると思います。

置鮎:イベント開催、ソロワーク、打合せ利用、商談、面接等々一つの施設の中で同時に様々な利用シーンがあるので、ある意味「カオス」な状況とも言えるかもしれませんね(笑)。

入り口に設置してある、入居企業のロゴ

—最後に、起業家の方に一言メッセージをお願いします!

置鮎:「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」は、イノベーションを起こす環境・チャンスが整っています。先ほどもお話しましたが、「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」は、「会員様と一緒にイノベーションを起こす空間をつくっていきましょう」というコンセプトです。私たちと一緒に成長していきましょう。お待ちしています。

「Plug and Play Shibuya powered by 東急不動産」についての詳細は、こちらをご覧ください。

取材協力:ライフ&ワークデザイン株式会社
店長:置鮎 佳典
フロントマネージャー:西野 宏美
(編集:創業手帳編集部)